主体107(2018) 1月 24日

りっぱな住宅は人民から先に

 

一九七九年一月のある日、蒼光通り建設にかんする協議会を主宰した総書記は、建設上の基本的問題について意見を述べたあと、環状線通りの住宅撤去問題はどうなっているかとたずねた。

一人の幹部が、人民にささいな不便もかけてはいけないから、党中央委員会の人びとが一時同居し、空いた家を撤去住民に提供するようにという総書記の指示があったが、党中央委員会の人びとのなかには家族が多くて同居が困難な所帯がある、そういうわけで三百所帯分は平壌市の責任で解決してはと進言した。慎重な面持ちで聞いていた総書記はかぶりを振った。

「駄目です。平壌市にしても住宅の余裕はないのだから、消化できるはずがありません。そうすれば市ではかれらを同居させることになる、決してそんなことをしてはなりません」

断固とした口調だった。人民の利益をおかすようなことにはいささかの譲歩も許さない総書記だった。

かれは自分の意見が浅はかだったと恥じ、党中央委員会の人びとをみな同居させて、撤去所帯全部にりっぱな住宅を割りあてると答えた。総書記は満足した。

「そうすべきです。党中央委員会の人たちはちょっと窮屈だろうが、みな同居生活をして人民に住宅を譲り、かれらにいささかも不便な思いをさせてはいけません」

こうして引っ越しがはじまると、総書記は寒い季節に荷物の運送にさしさわりがあってはと、多くのトラックを送るとともに、党中央委員会の幹部が引っ越しの面倒を見るようにした。

そうしたある日、一人の幹部が荷造りの現場を見てまわっていると、どことなく沈んでいる家族が目についた。不審に思って事情を聞くと、かれらは長年同居生活をしてきたが、引っ越し先でも引きつづき同居することになる、それが相手に申し訳なく、気が進まないというのだった。調査してみると、そのような家は十六所帯にのぼった。

その夜、報告を受けた総書記は顔色をくもらせて言った。

「君が現場へ行って見て本当によかった。

われわれがそれを知らずにいたら、その人たちはどうなったことだろう。

長年同居生活をした人たちにまた同居させるところだったから、われわれの注意がゆきとどかなかったのだ。

党中央委員会の人たちがもっと家を譲り、人民には残らず住宅を与えるべきだ」

総書記はつづけて、今後どの機関であろうと、必要上住民の住宅を撤去させる場合は、必ず代替住宅を与えたうえで、立ち退かせることをきまりとするよう強調した。

さきの十六所帯が党中央委員会の人たちの住宅に引っ越したのは、もちろんである。

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