主体107(2018) 6月 25日

開拓者(1)

 

妙香(ミョヒャン)山を楽しいレクリエーションの場としてより美しくととのえるため、総書記は、一九八一年五月、険しい山道を踏破し、妙香山の登山コースを切り開いた。

その最初の日、一行とともに登山服姿で宿所を出た総書記は、霧にかすむ妙香山の山並みに視線を向けながら、妙香山歴史博物館の館長にたずねた。

「どの道が一番険しいのですか」

総書記の意向をはかりかねた館長は、ためらいがちに万瀑(マンポク)洞に登る道だと答えた。

しばらく考えていた総書記は、一行を見まわして言った。

「では万瀑洞から登ることにしよう」

館長は途方に暮れた。それはよほど登山の心得がないと登れない、岩石や断崖つづきの険路だったからである。それに空は曇っていて、いまにも雨が降りそうだった。こんな日に総書記を案内するのは困難だと思ったかれは、万瀑洞はつぎの機会に譲ってはと進言した。

総書記は微笑した。

「骨が折れてこそ登山のだいごみを味わえるものです」

一行は総書記に従って山道を登った。

武陵(ムルン)瀑布をすぎ游仙(ユソン)瀑布に着いたとき、とうとう雨が降りだした。

そこへ一足先に出発していたグループがびしょ濡れになって引き返して来た。この先からは足場も満足にない崖で、岩の表面をおおったコケが雨に濡れて滑り、登るのは難しいと言うのだった。

道案内役の館長はこのときだと思い、こんな悪天候では危険だと意見を述べた。

総書記はほほえんで、もちろんこんな日に険所を踏破するのは危険だし、骨も折れよう、だがもっとも不利な状況で登山路の安全性を確かめることができるので、天気のよい日に登るより意義があるとし、こう言った。

「道は険しいがやり甲斐がある。さあ、前進だ」

総書記は先頭に立って崖道を登った。

雨はだんだん大粒になり、道は登るほどに険しくなった。しかし総書記は万瀑洞の登山コースは険しいが、滝が多いので楽しみだと言い、始終先頭に立って一行を励ました。

コケが雨に濡れて滑りやすい崖道を歩きながら総書記は、足場を毎年手入れして水ゴケが生えないようにし、登山の安全施設が不完全な個所は作り変え、険しい崖には丈夫な安全鉄鎖を張るようにと言った。

やがて飛仙(ビソン)瀑布と九層(クチュン)瀑布が望める最高峰にたどりついたとき、空がにわかに晴れわたり、七色の虹がかかった。

大きく平らな岩に立って美しく爽快な滝の流れ落ちる有様を眺めていた総書記は、太い声で言った。

「飛仙瀑布はすばらしい。これを見ないで万瀑洞を見たとは言えない。苦労して登った甲斐がある」

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