主体107(2018) 12月 15日

最後の一軒まで

 

一九七四年夏から、全国各地では総書記の配慮によって、カラーテレビジョン中継用の超短波中継所とテレビジョン中継塔が建てられはじめた。総書記は、それに深い関心を寄せ、事業の進行状況についてたびたび報告を受け、難問が持ちあがると、直ちにその解決策を教えた。

そうしたある日、当該部門の幹部から両江(リャンガン)道と慈江(ジャガン)道の北部山間部に住む数世帯のためにテレビ中継塔を建てるべきだろうかという意見が出された。

「なによりも中継塔の建設に多くの資金と資材、労力を要し、その後も管理運営に少なからぬ費用と労力がかけられるので収支をつぐなうことができません」

報告を受けた総書記は黙然と室内を歩いた。その軽い足音が焦燥感にとらわれた報告者の耳に強く響いた。総書記は窓辺に立って、遠い北辺の住民を目前に描き見るかのように外を眺めた。

やがて総書記は低く強い語調でとがめるように言った。

「長いあいだ一緒に仕事をしてきながらも、どうしてそんなふうにしか考えられないのです。われわれが人民のためをはかる事業で、収支を問題にしたことがあったでしょうか」

自責の念にとらわれながら、かれは総書記の言葉を胸に刻んだ。

「考えてみなさい。深い山里だということでテレビを見ることのできない家庭ができるとしたら、われわれの心が安まるだろうかと。そんな家庭があったのでは、いくらりっぱなカラーテレビの放送を流しても、心は楽しまないでしょう。

財布の紐を締めるようとばかりしないで、まず人民から先に考えなければなりません。どうしてお金と山間部住民の文化生活をにかけることができましょう」

総書記はかれの肩を軽くたたいて、言葉をつづけた。

「一台のテレビのために二人の機械工ではなく、十人が勤めるテレビ中継塔を建ててもかまわないから、山間部の最後の一軒まで、明るくきれいな画面が見られるようにするのです。

重ねて強調しますが、人民の文化生活に格差をつけてはいけません。首都の市民から山奥の伐採工にいたるまで誰でもみな家庭と職場で、カラーテレビを見ながら、一緒に笑い、一緒に楽しめるようにしなければなりません」

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